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doLuck jazz DLC-1 2,400円(税別) 12月25日発売 |
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Producer's Note 「道産子真理子1st CDおめでとう! 彼女が当店に出演して約4年になりますが、いつも大人の女性の優しさと芯の強さをステージで表現して、お客様との一体感を私も一緒に楽しんでます。このCDもそれを表に出して、どちらかというと往年のジャズクラブでバーボンを片手に聴くのにピッタリの作品に出来あがったかと思います。これからも自分をさらけ出して進化して下さい」(池袋・インディペンデンス 井上修平) これは、山本真理子が現在出演しているライブハウスのマスターからいただいたメッセージだが、この短い文章の中でみごとに彼女の歌の本質を言い当てている。最初に彼女のステージでその歌に触れた時、その背後にこれまでひとり生きてきた女性としての生きざまや恋心、強さ、脆さ、優しさなどが一体となって立ち現れるのを感じた。そしてそれは彼女の声を通して、聴き手である私にまっすぐに迫り、貫いた。「Here's to Life」「The Good Life」そして「生きてりゃいいさ」と、歌詞を慈しみ、人生や生きざまを語るように歌った歌はドラマチックであり、聴く者の心にダイレクトに飛び込んでくる。聴衆を惹きつける歌手は多いが、聴き手の心にストレートに飛び込んでくる歌手は、そうざらにはいない。彼女は自分をさらけ出すことで山本真理子というひとりの人間像を、聴き手一人ひとりの意識にしっかりと刻み込んでいるのだ。 昨年亡くなられたジャズ評論家の岩浪洋三氏は、彼女のブルースがいいと語っていたが「Black Coffee」のブルージーな雰囲気を聴けば、納得していただけると思う。「Don't Smoke in Bed」(Willard Robinson)をバースとして歌う「Cry Me a River」では、怨み節をブルージーなバラードにみごとに昇華させている。 バックのピアノ・トリオは、彼女と同じ北海道出身の谷口純子(p)と佐藤忍(b)、そして東京出身の田村陽介(ds)で、ライブ・ステージでここ数年固定されているレギュラーメンバーだけに、山本真理子をノセるツボを心得た演奏だ。曲によって平山順子(as)または駒野逸美(tb)が加わったカルテットとなる。2管が入ったクインテット編成の「Pennies from Heaven」では谷口純子のアレンジによるのほほんとした2管の絡みがたのしい。一転、それぞれのアグレッシブなソロの応酬との落差が聴きどころ。そうしたバックに乗って山本真理子は楽しげに軽々と歌っている。 これは彼女ともよく話すことなのだが、この曲や「It Had to Be You」「I Can't Give You Anything But Love」「Jeepers Creepers」などの小唄(スタンダード・ソング)は、いかに力を抜いて歌えるかが大事だと思っている。まるで鼻唄でも歌うようにらくらくと軽快に歌っていく中で、その歌の持つ世界をいかに表現できるか。これはもっとも力量が問われる部分であり、私がはじめてのヴォーカリストを聴くときの判断基準でもある。とくに「The End of The World」や「Just in Time」を聴くと、彼女の歌はその表現力においても一級品であることがわかる。 アルバム・タイトルの『Here's to You』は、ジョーン・バエズに同名の歌があるが、それではない。「Here's to Life=人生に乾杯」から「あなたに乾杯=Here's to You」とした、このアルバムを手にしてくださったあなたへの山本真理子からの感謝のメッセージだ。このアルバムによって山本真理子の歌にハートを「Bang Bang」と撃ち抜かれた方は、彼女のWebサイト(yamamotomariko.com)をチェックして、ライブをぜひ1度ご覧頂きたい。私がレーベルまで立ち上げてこのアルバムをつくってしまった理由が納得いただけると思う。 doLuck Jazz 平井清貴
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